ハル・グリーンリー氏(元NASAエンジニア)への
ショートインタビュー

Delta II ケープカナベラルにおける
AMIGAによる打上げ時テレメトリ計測及びリアルタイムデータ通信
について
Director's Center
[J.T.] ヨアヒム・トーマス Joachim Thomas - [H.G.] ハル・グリーンリー Hal Greenlee
[J.T.] レメトリ(遠隔計測)センタでは、現在 Amiga以外にどんなコンピュータを使用しているのでしょうか?随分前になりますが技術報告に、PCだけをAmigaに置換えてソフトウェアをコンパイルしなおした、と書いていらっしゃいました。今日では、PCを使用する方が効率的とお考えでしょうか、それともAmigaの方が信頼性の面で優れているのでしょうか?
[H.G.] レメトリセンタは表示用データの処理をAmigaだけでおこなっています。このAmigaは、約500チャンネルあるデータレコーダ(Split Chart Recorder)のDAC(デジタル-アナログ変換回路)を切替える役目もしています。

Pentium や G3 の方がパワフルでしょう。当時、Amigaを選択した大きな理由は、AmigaDOSがマルチタスク処理システムであることと、Amigaが68Kコードを使えること(私たちのプログラマは これに親しんでいて好きだったんです)。Windows も MacOS もそうではありませんでした。 今日ではこれらのCPUで動くLinux やその他のUnixの方が良いかもしれませんが、Amigaはたいへんきちんと動いてくれています。

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Data window on Amiga
Amigaが管理している
スペースシャトル・ミッションの計測データ
Magic of Amiga
ウィンドウに"The Magic of Amiga"
という文字が読める
[J.T.] ープカナベラルには、現在何台のAmigaがあるのですか?また、他の部署でも使用されていたり、以前に使われていたことがありますか?
[H.G.] 後に数えてみた時には、メインシステムとして8台ありました。そのうち4台が動き、4台がバックアップでした。また、DAC制御用に4〜5台、 プログラミング・ルームに4台ありました。その他、離れたところにある同様な部署にも6〜7台、どこかの棚にもう4〜5台のスペアがありました。
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A4000 close-up
ソフトウェア開発用の
Amigaシステム
A4000
システム開発用の
Amiga4000
A2000
試験用ラボの
Amiga2000
[J.T.] ープカナベラルのテレメトリ計測技術についてお書きになった後で、テレメトリ・ルームのコンピュータシステムは変わりましたか?Amigaが増えたり、Amigaの代わりに他のマシンが増えたりなどありますか?
[H.G.] 告に書いた時と大きな違いはありません。他の部署でも同じです。1台のマシンにPPCカードを入れており、さらに何枚か購入しています。しかし今はまだPPC用のソフトウェアは作っていません。新たに改良されたI/Oカードも追加しました。そのほかには私も知らない変更が少々です。 当初からのメインプログラマであるデイブ・ブラウン(Dave Brown)が1年以上前に退職してしまいましたので、ほかの2名は作業に遅れを生じないようにすべく多忙な状態です。そのようなわけで、わずかしか PentiumのPC に制御を移していません。
[J.T.] ャトルのような有人のミッションを行うところは別として、NASAの他の主要な打上げサイトで、異なるシステムを使っているところはありますか?(それとも同様なコンピュータネットワークを使用していますか?)
[H.G.] ープ以外の打上げサイトは、Western Test Range(WTR)と Wallops Island だけです。カリフォルニア州のWTRは、ケープのAmigaシステムの小規模版があります。私たちはWallops(観測ロケット打上げ)とは交流がありません。他の(打上げを行わない)センターではAmigaを使っていないようですが、Atlas-CentaurにあるLewis Research Center(クリーブランド州)のオフィスは、私たちが提供したシステムを使っています。
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Mir Spacestation Support Mission Shuttle Mission Mr. Friscia, Boing aerospace
ロシアのミール宇宙ステーションのサポートミッションで稼動中のAmiga Amigaがシャトルミッションの制御に使用されている ボーイング・エアロスペース社の A. Friscia氏、AmigaからSunワークステーションへのデータ転送システムを説明していただいた
[J.T.] 告に書いていらっしゃいましたが当初多くのハードウェア開発が、NASAのエンジニアとサードパーティとの共同でおこなわれたそうですね。最近の開発及びプロジェクトではいかがでしょうか。現在Amiga用のハードウェアをどこかと共同で開発しているのでしょうか?G3/G4アクセラレータボードのようなものを新たに開発することに興味はありますか?また実際にハードウェアメーカと共同開発する可能性はありますか?
[H.G.] たちのハードウェア開発は大規模なものではありません。主なものはI/Oカードの開発で、データ・バスからAmigaへのデータの入出力をおこなうものです。数回改良されていますが、初期のシステムで私はSCSIを使用しました。これは旧Byte-by-Byte社のエンジニアのアイデアに基づいています。1987年にたしかSCSIドライブを接続した最初のAmigaで実現していました。また私たちはSCSIを使い始めてすぐにベルヌーイ・カートリッジドライブを使ってきました。

現在の進行中または予定しているような、サードパーティとの開発プロジェクト はありません。

[J.T.] ミーガ社とのお付合いはないのですか? アミーガ社は NASAがAmigaを使っている事を知っているのでしょうか? なにかありましたらお願いします。
[H.G.] ミーガ社は私たちの事を知っていて、機会を選んで取上げています。

コモドール社があった頃には、私はコマーシャルデベロッパとして扱われました。すべてのDevConに出席して、C=(コモドール社)やサードバーティとできるだけ多く交流できるようにしました。私がNASAを引退したころコモドール社が倒産し、すべての交流が滞ってしまいました。その後はすべて、電子メールやニューズグループ,コンピュータショーへの出席という手段をとり、情報を取りもどせるようになりました。

[J.T.] NASAのウェブサーバのネットワークのどこかに、テレメトリセンターのAmigaシステムに関するウェブサイト/ページはありますか? あなたのSpace Coast Amiga Groupのサイトがあると聞いたのですが(見つけられませんでした:-()、そこはNASAのAmigaシステムに関するサイトだったのでしょうか。
[H.G.] こハンガーAEとAmigaに関するウェブページはありません。KSCのページが私たちの業務について一般的な面から紹介しています、私が覚えているものではそれくらいですね。
[J.T.] NASAを引退なさった後も、 Amigaシーンで(ハードウェア開発を含めて)どんなことが起こっているかをご存知ですか?また、雑誌やオンラインマガジンをお読みになりますか?そのどちらをお好みでしょうか?
[H.G.] は1994年11月(引退の7カ月後)からAmigaのディーラになりました。今までと同様にドイツ、カナダのショーに行きましたし、セントルイスのショーにも行きます。ニューズグループも毎日読んでいます。私の会社の名前は HardDrivers Co.で、中古システムとパーツを専門に扱っており、今までにAmiga用製品で約50万ドルの売上げがあります。

以上が、目下時間を費やしているすべてです。 木曜日には、セントルイスへ向かいますよ。

HAL

Credits
Mr. Hal Geenlee ハル・グリーンリー氏をはじめ、写真をご提供くださったAmiga atlantaのBob Castro氏 (彼による関連記事はここ)、NASAのGary Jones氏、ボーイング・エアロスペース社のA.Friscia氏、Mike Ellenberg氏に感謝します。
Made with Amiga
©1999 Joachim Thomas - AmiWorld On-Line
Bob Castro (Amiga Atlanta)
Translator: Fujio Miyake - Proofreader: Shinji Miyoshi ATO - Amiga Translators Organization